- ECサイト運営ってどんな仕事するんだろう?
- どんなスキルが必要なの?
- 未経験からでも出来るかな?
こんな疑問にお答えします。
僕は第二新卒でECサイト運営の仕事に就いて10年目になります。
本記事では「ECサイト運営の仕事に興味あるけど、実際どんな仕事するんだろう?webの仕事未経験なんだけど大丈夫かな?」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「ECサイトの仕事内容、必要なスキル、未経験の自分でも出来るか」までをイメージできるようになると思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
ECサイト運営の仕事内容とは
仕事内容は大きく4つに分類できます
- 商品登録
- Web集客
- サイト内施策
- モール運用(楽天・yahoo・amazonなど)
それぞれの具体的な仕事内容を見ていきましょう。
①:商品登録の仕事内容
商品登録ではこんなことをやります。
- 商品ページ作成
- 商品撮影
- 画像加工
商品登録でやることは3つ。
商品ページ作成:新人さんはまずここから
商品ページ作成はECサイトの日常的な業務です。
基本的にCMS(サイト運用を簡単にできるシステム)を採用している会社が多いと思うので、webの知識がなくても大丈夫です。新人さんはまずこの業務をやりつつ、扱う商材やECの勉強をしていく感じになります。
具体的に商品ページに必要な「商品情報」、「商品画像」、「商品コメント」などのデータを入力します。
新入荷が多いECサイトの場合、ページ作成に費やす時間が多くなります。
「単純作業は嫌だな」と思ったら
商品ページ作成を自動化している会社を選ぶとルーチンワークが減るので、面接で聞いてみるといいと思います。
新入荷が多いECサイトだと、ページ作成の時間が多くなるので意外に重要なポイントです。
商品撮影:カメラ初心者でも大丈夫。
撮影スタジオで商品を撮影します。
社内に撮影スタジオがある場合、カメラやライティングの設定はすでに出来ているので、カメラを使ったことがない初心者の方でも撮影出来ます。
外部のカメラマンに依頼する場合や社外のスタジオで撮影するケースもあります。
個人的には自分で撮影する機会があったほうが良いと思います。カメラやライティングについて学べますし、実際に商品に触れる機会があったほうが、より商品の魅力をユーザーに伝えらえるからです。余談ですが、デスクワークの時間が多い仕事なので、息抜きがてら撮影する環境がある方が気分転換できて楽しいです。
画像加工:photoshopの基本はここで習得
画像編集ソフトを使って撮影された画像を綺麗に仕上げます。
主に使うソフトはphotoshopです。
操作は「明るさ調整」、「色調補正」、「ゴミ除去」、「リサイズ」などをやります。
初心者の方でも慣れれば1ヵ月程度で出来るようになると思います。画像加工を外部委託している会社もあるので、その場合、画像加工をする機会はないでしょう。
バナー制作でphotoshopを使うこともあるので、デザインが好きな人は画像加工ができるかチェックしてみるのもいいですね。
②:Web集客の仕事内容
Web集客では、サイトに来るユーザーを増やす施策を行います。流入チャネルによって施策は異なります。
流入チャネル | 例 | 施策 |
自然検索 | Google検索、yahoo検索など | SEO、コンテンツ強化 |
リファラル | 他サイトからのリンク | 特になし |
ダイレクト | ブックマーク、メルマガなど | メルマガ配信 |
SNS | Twitter、Instagram、Facebookなど | SNS運用 |
Web広告 | リスティング、ディスプレイ広告など | Web広告運用 |
2022年も自然検索が流入のメイン
老舗のECサイトは自然検索が流入の7割以上を占めていたり、逆にアパレル系はSNSからの流入が大半占めていることもあります。
これはサイトの認知度や商材によっても変化しますが、基本的には自然検索からの流入をメインにしてるところが多いと思います。
それでは、流入チャネル別にどんなことをやるのか見てみましょう。
自然検索:
自然検索では流入キーワードを増やし、検索順位を上げる施策に取り組みます。
つまり、「△△△」というワードで検索されたときに、自分のサイトが1番上に表示されてクリックされるようにするのが最終的なゴールとなります。
そのためにやることがこちら。
- キーワード戦略
- SEO
- コンテンツの質を高める
▼キーワード戦略でやること
狙うワードの「キーワードボリューム」や「競合調査」を行い、戦略を組み立てます。
たとえば、コーヒー豆を販売してるECサイトで「コーヒー豆 通販」の検索で上位を狙うなら、このキーワードで「どのくらいの検索ボリューム」があって「上位の競合サイトはどのようなコンテンツを掲載しているか?」を調べます。
そのデータを元に、「どのようなコンテンツを作ればいいか?」「現状あるページのどこを修正すればよいか?」を検討してロードマップを作成します。
▼SEOでやること
SEOで重要なことは、クローラーがサイト内を回遊できて、ページの内容が伝わることです。
どんなにいいコンテンツを作っても、クローラーがそのページを正確に評価出来なかったらインデックスされず検索結果に反映されないからです。
サーチコンソールで、「カバレッジエラー」、「コアウェイバイタル」、「リッチリザルト」、「内部リンク」などの問題点を見つけて修正を行います。
そもそもSEOってなに?
Search Engine Optimization の略で「検索エンジン最適化」のことを意味します。一言で言えば、「Googleが理解しやすいようにサイト改善する」といった感じでしょうか。
▼コンテンツの質を高める
ページの情報をリッチ化してよりよいコンテンツにします。
Google品質評価基準である「E-A-T」や独自コンテンツ、ユーザーが求めるコンテンツを追加します。
専門性・権威性・信頼性のあるコンテンツの追加。現状のコンテンツを見直したりします。
E-A-Tってなに?
「Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)」の略で「Googleの検索品質評価ガイドライン」に提示されているもののことです。
人の「健康・生活・お金」に関わるサイトのジャンルでは、特にE-A-Tが重要視される傾向にあります。
Web広告運用の仕事内容
Web広告の運用管理を行います。
Web広告にはたくさんの種類があり、媒体ごとに仕様が変わったりするので最新の情報を知っておく必要があります。
- Web広告の種類
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- アプリ広告
仕事の流れ:予算を決める⇒運用する⇒レポートチェック⇒改善
基本的には上記の流れを繰り返して広告の費用対効果を高めます。
広告代理店に運用を任している企業も多いので、1から自分で広告を回すという機会は少ない気がします。
代理店に任せている場合でも、打ち合わせの際にweb広告の用語やどういった仕組みになっているのかの知識は必要なので、web広告の本を1冊買って知識を身に着けておくといいと思います。
web広告運用の仕事をイメージ
- バナー作成⇒クリック率を分析⇒最適なクリエイティブを見つける
- LPをヒートマップツールで分析⇒LPを改善する
- 購入ユーザーの属性を分析⇒ユーザーの最適化
- リスティングワードの選定・改善
SNS運用の仕事内容
Twitter、Instagram、Facebook、youtube、LINEなどのSNSを活用して集客を行います。SNSの目的はブランディング、認知拡大、販路拡大なので、それに合わせた情報発信を行います。
SNS運用の仕事をイメージ
- コンテンツ企画
- コンテンツ作成
- 分析
- エンゲージメント・コメント返信
メルマガ配信の仕事内容
定期的にメルマガを作成して配信を行います。
配信後はメール開封率・クリック率・購入率などのデータ分析をしてよりよいメルマガを目指します。基本的にテンプレートが出来ているので毎回ゼロから作り上げることはないと思います。
③:サイト内施策の仕事内容
購入率を高める施策を行います。
- コンテンツ企画・作成
- webサービスの導入
- UI・UX改善
サイト内施策は、ユーザーが商品を購入しやすいようにする施策です。
サイトが見にくかったり、商品の魅力が伝わるコンテンツがなければユーザーは購入してくれません。サイト内施策では、データ分析と、いかにユーザー目線で物事を考えられるかが重要なポイントです。
コンテンツ企画・制作でやること
ユーザーが購入したくなるようなコンテンツを企画・制作します。
たとえば、セールやプレゼントキャンペーンなどが挙げられます。LP制作では、ワイヤーフレームを作り、その後コーディング作業を行います。作成するにはHTML、CSS、javascriptの知識が必要です。外部の制作会社に委託しているところもあります。
webサービス導入の仕事内容
他社が提供しているwebサービスを導入します。
タグを設置すればいいだけのものもありますし、基幹システムと連携する必要がある場合、システム会社と仕様確認などやり取りが発生します。webの仕組みを知っておくと円滑に作業を進めることができます。
UI・UX改善でやること
ユーザーがサイトを快適に使えるように問題点を探して改善を行います。
問題点を探すのにはヒートマップツールやアナリティクスを用います。またABテストを実施して検証を行ったりもします。
④:モール運用(楽天・yahoo・amazonなど)
各モールの運用を行います。
- 商品登録
- モール分析・改善
- メルマガ配信
モール運用を一元管理できるサービスを導入している場合はそちらから操作を行います。独自のキャンペーンが行われるので、それに合わせてポイントキャンペーンの案内をメルマガで発信したりします。
商品登録
楽天、yahooショッピング、Amazonなどに商品ページを作成します。
モール分析・改善
売れ筋商品、PV、直帰率、流入元などを分析して売上げを増加させる施策を考えます。
メルマガ配信
定期的に行われるキャンペーンなどと連動した企画やメルマガ配信などを行います。
ECサイト運営の仕事に必要なスキル
レベル別に必要なスキルをまとめてみました。
- HTML
- CSS
どうしてHTMLとCSSが必要なの?
HTMLとCSSがWebページの土台となっているからです。ソースコードが読めないと、ページの修正もできませんし、新しくコンテンツを作ることもできません。最低限HTMLとCSSだけは身に付けておきましょう。
HTMLとCSSはどの程度まで勉強すればいいの?
初心者向けのHTM・CSSの参考書を1冊やればOKです!あとは実際に自分でwebページを作ってみましょう。簡単なもので大丈夫です。実際に手を動かすと身に付きやすいので、是非色々なページ制作にチャレンジしてみましょう。
- Webの仕組み
- javascript
- PHP
- photoshop
- illustrator
- デザインの知識
- ワードプレスの経験
- SEOの基礎知識
- ライティング
必須ではありませんが、もし上記の中にあなたの興味あるものがあれば、1つ手を出してみてもいいでしょう。私のおすすめはワードプレスを使ってブログを運営することです。
ブログ運営をおすすめする理由
理由はEC運営の仕事に必要な総合的な能力が身につくからです。
▼ブログをやると得られる能力
- ライティングスキル
- マーケティングスキル
- 論理的思考スキル
これらはECサイト運営で必ず必要となるスキルです。
ポートフォリオにもなるので、就活でも大きなアピールポイントになります。
僕も面接官をやったりもしますが、ブログ運営の経験がある方はかなり好印象を持ちますし、実際に採用したこともあります。
何から手をつけていいか分からないという方は、まず無料ブログでもいいので初めて見ることをおすすめします。
- ECサイト用語・知識
- マーケティングの知識
- アナリティクスの経験
- サーチコンソールの経験
- ディベロッパーツール検証の操作
- SNS運用
こちらは入社後に実務を通して学べばいいかなと思います。
未経験からでもECサイト運営の仕事はできる?
結論から言うとできます!
実際に私も未経験からECサイト運営の仕事につきました。ただし、最低限HTMLとCSSだけは習得しておきましょう。
- ECサイト運営者の仕事に向いている人
- 色んなスキルを身に付けたい
- 色んなことに興味がある
- 分析するのが好き
- 数字を見るのが好き
- 仮説・検証が好き
- デスクワークが好き
- 最新のものに触れていたい
- 扱っている商材が好き
- 撮影が好き
ECサイト運営の仕事は色々なことをやります。なので、自分の知らないことを知って面白さを感じる人が向いていると思います。
- 体を動かして仕事をしたい
- 色々な場所に行きたい
- 人間関係を広げたい
- webの勉強が楽しくない
- 1つのことを黙々とやりたい
- チームで仕事するのが苦手
1つのことをとことん突き詰めたいという方やまた、営業のように外へ行く機会も少ないので直接人とコミュニケーションしたいという方にもあまりおすすめできません。
最後に
ECサイト運営の仕事は正直言って大変だと思います。やることも覚えることも多い。ただそれに見合うだけの価値はあると思います。だから私はECサイト運営の仕事を10年もやれているのだと思います。
ぜひ未経験から「web系の仕事をしたい」と思っているあなた。選択肢のひとつにECサイト運営の仕事をいれてみてはいかがでしょうか?
この記事を読んだ方が、少しでもECサイト運営の仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいです!
ここまで読んで頂きありがとうございました。